Paddy Moogan「ウェブページの最適化をやり遂げるには(ECサイト編)」
SEOmoz 2012.4.29のエントリ
Perfecting On-Page Optimization for Ecommerce Websites | SEOmoz
- ページ単位で行うSEO対策やコンバージョンUPのためのチェックリストの決定版は2009年に書かれてる、けど3年たったので最新版を作った、ただしECサイトに話絞って、という主旨のエントリ。
- アドバイスのよくあるパターンは、「SEO効果は少々、でもCVRアップは期待大」、「だからやっとけ」
- 派生パターンとして「SEO効果少々、でもUX向上」「だからCVRアップ有望」、「だからやっとけ」
- 翻訳あり。ただし不正確&ノイズ多い
- SEO的に見た、ECサイトで「あなたが取り組むべき15のページ要素」2012年版 - webマーケティング入門
- 論旨が掴めない(原文読んだきっかけ)
- 原文は定点観測としてinformativeなエントリだった
- 翻訳では、理由を割愛して説得力に欠ける話に転化したり、全く別の話になってたり、留保つきで主張してることが断定になったり、ゆえに歯切れの悪い部分が問答無用の断定になってる。
- コメント欄でもエントリに載ってない手法について質問が出て、それにPaddyが丁寧にリプライしててinformative
以下斜め読んだ内容
- はじめに
- このサイト(SEOmoz)の公式見解ではない
- 2009年(?)にRandが書いたエントリ
- Perfecting Keyword Targeting and On-Page Optimization
- SEOmozの人気エントリの1つ
- 未だに引き合いにだされること数知れず
- ページ単位の最適化がテーマのエントリ
- エントリのコアの部分は今なお有効
- ただし、追記した方がいい内容がある
- 追記した方がいい内容を、ECサイトに限定して列挙してみるのがこのエントリの主旨
- ECサイトの商品ページのパーツを15に分類してみた
- (1)カスタマーレビュー
- ECサイトやっててカスタマーレビューを付けてないなら相当損してる
- カスタマーレビューは重要なフィードバック
- ビジネスを改善していくのに必須の情報が詰まってる
- カスタマーレビューはユニークなコンテンツ作りの源泉でもある
- 商品数の多い大規模ECサイトであっても商品ページそれぞれにコンテンツとして追加できるから
- ユニークでない商品ページがカスタマーレビューが追加されてユニークなページになる
- 基本tips
- お客へ購入後数週間後に商品レビューを依頼するメールを自動的に出せるシステムを用意
- 買うか、作る
- メールでレビュー依頼する体制をスタートし、できるだけレビューを獲得できるように手を打つ
- 進んでお客がレビューに協力してもらえるように、インセンティブを用意する
- 次回購入時に使える割引券とか
- レビューの内容が非難や文句であっても心配しない
- お客はアホじゃない。レビューが好評価だらけのサイトにお客がどう思うか考えてみるべし
- お客へ購入後数週間後に商品レビューを依頼するメールを自動的に出せるシステムを用意
- レビューがまだ無い商品ページ
- 「レビュー無」「レビュー希望」等が表示されてる商品ページ
- この状態はCVRに悪影響あるかも?という心配する人たちあり
- まずレビューエリア全体を非表示しておく
- レビューが一定数獲得したらレビューエリアが表示させるようにページ設計
- もちろん現在の環境では無理なケースもあるが、できるかどうか調べるべき
- レビューデータのマークアップにも気を配る
- マイクロデータのフォーマットに準拠したマークアップ
- googleがコンテンツを解析するときに、コンテンツのコンテキストとして活用してもらえる
- 検索結果ページでの表示内容がリッチになる
- おすすめ度、レビューア、レビュー抜粋なども並べて表示されるようになるため
- マイクロデータ付で表示されるようになれば、CTRアップに貢献できる(かも)
- レビューをmicroformtsに準拠してマークアップすること自体は広まってる
- microformats使うことが差別化にならないかも。もしくは使わないことが差別化になるかも。
- (2)商品紹介動画
- 最適化は一筋縄でいかないが、成功したら大きい
- 動画使ってるECサイト増えてるが最適化からほど遠いのが大半
- 手本はZapposの商品ページ
- 5万本の商品動画アップしてる
- 検索結果での表示内容も動画のサムネイル入りになって他と差別化できてる
- 動画の埋め込みやりかたを正しい方法でやってる
- 商品ページに動画載せるメリット
- リッチなコンテンツにする近道
- よい動画はCVRアップに貢献できる
- 専門性のある商品だと商品動画はCVRに貢献しやすい
- データや証拠つきで力説したい所が、そういうデータ等は持ち合わせない
- 動画埋め込み最適化でおすすめサービスがWISTIA
- 動画のホスティングサービス
- ページへの動画埋め込みと最適化をサービスにしてる
- ちなみにSEOmozもWiSTIA使ってる
- 自社(Distilled)でも何回か使ったけど、スニペットがすぐ手に入って導入簡単だった
- サービスの安定や機能追加等をスピーディにやってるサービス
- 動画の最適化でおすすめエントリとスライド
- 脱線:paginationの最適化
- ボリュームのあるコンテンツをどうやってページ分割するか
- 取り組む問題色々
- 分割したページをクロールされ、定期的にインデックスされるように設計
- ページ分割されたページのランキングやページからページへのリンクの重み付け
- rel="next",rel="previous"と、"view all"
- 2009年時点で存在しなかった、pagenationの最適化テクニック
- googleが奨励。やり方までブログで説明してる
- Official Google Webmaster Central Blog: Pagination with rel=“next” and rel=“prev”
- Official Google Webmaster Central Blog: View-all in search results
- googleへ分割されたページの関係を適切に伝える
- 分割ページ群の中で起点となるページへのリンク重み付けをgoogleへ伝える
- 他にもpagination最適化テクニックあり
- Adam Audetteのエントリはおすすめ
- Official Google Webmaster Central Blog: View-all in search results
- 脱線:microdata, schema.org
- (3)Q&Aコンテンツ
- 2009年頃には無かった要素
- 商品に特価したQ&AコンテンツがECサイトにとって価値がある
- 「ユニークなコンテンツ」作りをサイトが大規模サイトになってもキープし続けること
- ECサイトの大変な所の1つ。
- カスタマーレビュー同様、ユニークなコンテンツの助けになりうる
- オール自作でないuser generatedなQ&Aコンテンツであることが重要
- Q&Aコンテンツをクローラーがアクセス可能にしておく
- Q&AコンテンツはCVRアップに貢献しうる
- 質問への回答にお客が満足できるものなとき
- 商品のファンに活躍の場を与え、彼らが進んでお客に疑問に応えてくれる動機付けを強化、しうる
- はやりのゲーミフィケーションの実例、になりうる
- Quoraは?
- 商品のファンが未購入者を自発的に啓蒙していく場所として、Quoraは最適
- オレオレ予測
- 今後Quoraクローンが今後ECサイトオーナーの欲しいものリスト入りする
- この手のQ&Aサービスは「ユニークなコンテンツ調達」にとって重要な鍵になる、かも
- (4)ソーシャルボタン
- ECサイトのゴールはお客に買ってもらうこと
- tweet/likeしてもらうことではない
- お客の意識を買い物から逸らすことはしない方がいい、と思う
- ECサイトでのソーシャルボタンの使いどころ
- ソーシャルボタン関連で面白いアイディアあり
- お客のSNS利用を逆手にとったCVRアップを期待する類のアイディア
- 実務で試したことないが検討してる
- サイトを訪問したお客がtwitter/facebook/etc.へログインしてるかチェック
- Detect if visitors are logged into Twitter, Facebook or Google+
- ログイン/ログオフによってメッセージをカスタマイズとかできる
- 「likeしてくれたら割引します」といったお客へのオファーがスムーズにできる
- likeもゲットできて、割引クーポン提供後にCVRもアップするかもしれない
- ECサイトのゴールはお客に買ってもらうこと
- 脱線:ページの速度
- 2009年のSEOのチェックリストに無かった項目
- SEOに限らずページ速度はサイトにとって重要な要素
- 2010.4.9にgoogleはサイト速度を検索順位アルゴリズムに組み込むと発表
- サイトの速度はCVRに影響を及ぼす
- お客は商品ページが表示されるのをいつまでも待ってくれない
- ページ高速化がCVR改善をもたらしたというwalmartのデータもある
- 4 awesome slides showing how page speed correlates to business metrics at Walmart.com
- (補足)2012.2にSan Francisco開催されたmeetupでebayのチームが話した内容(Real User Monitoring @ Walmart.com: A Story in 3 Parts)をダイジェストしてる記事
- ページ表示時間1秒以下の時のCVRとの比較。2秒以内だとCVRは半分以下にダウン。3秒以内だとCVR当初の20%に。4秒以内だと10%強まで下がる。
- 4 awesome slides showing how page speed correlates to business metrics at Walmart.com
- ページ高速化は検索順位(SEO)よりもCVR改善を意識して取り組むべき
//open graphタグサンプル <meta property="og:title" content="クライアント・サイド・スクリプティング with Web Standards" /> <meta property="og:description" content="英語エントリ斜め読み。hackner news、node、spdy、js、高速化tips" /> <meta property="og:type" content="article" />
- 脱線:Open Graph Protocol
- これも2009年のSEOのチェックリストに無かった項目
- head要素内に入れるmeta要素の1つ
- CMS等で自動生成対応できる部分なので対応しやすい
- ECサイトにopen graphのタグを入れてくメリット
- open graphタグとSEO関連でおすすめエントリ
- Web developers cheatsheet for open graph tags
- これも2009年のSEOのチェックリストに無かった項目
- How to optimise Facebook open graph tags
- call to action
- conversion rate
- ターゲットから特定の行動を引き出せるか
- 買ってくれる、資料請求してくれる、アンケートに協力してくれる、etc.
- sem/seoでecサイトへのトラフィックを稼ぐ
- あくまでゴールは購入してもらうこと
- トラフィックは同じでもCVR改善すれば収益アップできる
- 商品ページ
- ECサイトで最重要ページ
- 商品ページのCVR改善のためのてこ入れを明示的にやるべき
- CVR最適化やったことない。。。。
- だとしても、現状どうなのかは最大限データ収集すべき
- CVRの測定と改善に役立つツール色々ある
- Crazy Egg
- ClickTale
- google analyticsのevent tracking
- seomozのチュートリアルエントリあり
- Google Analytics Event Tracking to Monitor Calls to Action
- CVR測定ツールを
- (10)タイトルテキスト
- 開発時のテンプレート
- 「商品名」と「CVR対策文言orUSPテキスト」
- 例「MacBook Air - 全品送料無料」
- 検索結画面に「送料無料」と表示されれば、クリック率アップになる(かもね)
- 重複ゼロがここでは最重要
- titleやdescriptionをはじめとするメタデータ
- 同じテキストが複数のページで使われていないかどうか
- 脱線:descriptionテキスト
- SEOではなくCVR改善狙いで最適化すべき
- 検索順位への影響力はとても小さい
- 検索結果画面でのクリック率アップにフォーカス
- CVRアップにつながる情報いれる
- USPテキスト
- (11)商品説明テキスト
- ユニークに。メーカーからもらったテキスト丸写しはNG
- 他のECサイトのテキストと比較して差別化されないとダメ
- 送料無料とか最安値等のUSP情報を入れてく
- 時間をかける
- (12)ページURL
- SEO基本事項
- カテゴリやサブカテゴリはURLに入れない
- ある製品が複数のカテゴリに入るケースではとても重要
- 重複コンテンツを生まないために必要
- 「rel="canonical"」を使って検索エンジンにオリジナルを通知。解決策ではあるが理想ではない
- よいURL
- 例。www.example.com/product-name-12345
- 商品名と商品コードだけ入れる
- よく似た商品が複数あるとよく似たURLになってしまう可能性
- その保険として、商品コードも入れとく
- ペナルティにはならない。けど避けるのが無難
- (13)h1要素のテキスト
- (14)電話番号
- (15)会社概要
- 特定地域(横浜、名古屋市、etc.)がターゲットの場合に重要度アップ
- 会社の所在地情報をgoogleへできるだけ多く情報を出すと、地域関連のキーワードでの検索順位アップにつながる
- schema.orgのフォーマットでマークアップ
- 会社情報はサイトの信頼性の目印の1つでもある
- googleにとって。かつ、ユーザにとって。
- 最後に:eCommerce SEOの良記事3本
- コメント欄
- Q:ソーシャルボタン導入の効果ってない?「abc.comで**を買った」というポスト/tweetが流れると、効果ありそう
- A:商品ページにボタン付けてseo/CVR面で効果あると言い切れるか微妙
- proありconあり。向いてる商品、向いてない商品あり。という程度の認識
- Q:商品比較サイトからのトラフィック増のための最適化を追加しては?
- Google Product SearchとかBing ShoppingとかThe Find
- 検索結果の絞り込みオプションで「送料無料」や「google checkout」対応、とかがある
- ECサイト側で送料無料やってて、決済手段としてgoogle checkout対応してるなら、それに対応してることを比較サイトへ通知すれば、トラフィック増になるはず
- A:このエントリの候補に入れてたが最終的に割愛したトピック
- 異論なし。対応できるなら、した方がいい
- Q:ページ最適化にはA/Bテスト(スプリットテスト)は外せないのでは?
- レイアウト、配色、ボタンのサイズ、ソーシャルプラグイン系の有無
- テストしてCVRが優秀なのを採用していくというプロセスが重要だと思う
- A:同意見
- 商品ページの要素配置では重要になってくる。配置される要素が多いから
- どんな要素の配置が「お客が財布からクレジットカードを取り出す」行動を一番引き出せるか
- これを知る助けになる
- Q:脱線だが冒頭のモックアップはBalsamiqで作った
- A:その通り
- Q:"view all"はlink要素の属性値にはないからrel="previous"やrel="next"と同列に書くのはおかしいのでは?
- A:同意見。エントリでは役割が共通してるからひとまとめにしてるだけ。
- Q:facet navigationも追加したら?
- (補足)amazonにあるような「送料無料」「1000円〜2000円」といった情報を切り口(facet)で絞り込んで必要な情報へ辿りつかせるやつ
- A:割愛したトピック。別エントリで書くかも
- Q:商品が数千あるから商品説明をプログラム使って作りたい。ユニークなテキストになるように設定して
- A:オススメしない。テキスト量産ソフトでいい線言ってるソフトも中にはあるけど、自動生成系は結局チェックしないとだめだから。
- Q:zapposがやってるような検索結果ページからカテゴリページへのリダイレクトはどうか?
- A:いいアイディア
- 注意点。大規模サイトで実装すると、サイトの速度低下の要因となりバックエンドに負荷。解決可能な問題だが。
- Q:最適化に着手する優先順位があるのでは?
- 大量の商品を扱うECサイトだったら、一番利益出してる商品ページから着手すべしとクライアントにアドバイスしてる
- A:同意見
- おすすめは、上位だがトップ3入りしてないページから着手すること。即効性があるから
- Q:カートに入れたけど買い物を止めたユーザをターゲットにして出されるメッセージやヒントが嫌いなんだが。。。。
- amazonとかがやってる。「お買い物が完了してませんよ」とメッセージ出すやつ
- それ以外のヘルプメッセージやヒントは基本的に肯定派
- A:いい指摘
- クライアント(=ECサイト運営)曰く、その手のメッセージに対してお客は気にしてないどころか歓迎してる
- 「気にしてないどころか歓迎されてる」というのは正直意外だった。尤も、実装は慎重に行うべきなのは変わらない
- Q:値段はページのどこに表示したらいい?
- A:場合によりけり。A/Bテストで最適化していくのが向いてるトピック
- 「定価」「割引後の価格」と並べることだけは避けるべき