以下斜め読んだ内容

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『アサッテの人』を読む

以下ネタバレへ回避への配慮は無しで書く。

「アサッテ」とは定型・日常からの逸脱。それを求める男(叔父)の話。
これは、使い古しのモチーフ。
定型・日常からの逸脱を志向すること、それ自体が定型化・ルーチン化してしまうこと。
当然辿りつく「アサッテの定型化」。これも、使い古しのモチーフ。
要するに刺激を求めその刺激に慣れた、と要約される他無き構想。

「アサッテの定型化」以後をどう書くわけ?この芥川賞作家は。
と思いつつ先に読みすすめる。

例のごとく発狂するとか、自殺するとか、おなじみのパターン?でいくのか。

叔父に共感できるのは、逸脱への志向が誰しも持っているありふれたものであるから。
そしてこのモチーフは際限無く使い回されるよくある設定だから。
登場人物(時には主人公)が白血病で死ぬという設定と同じくらいポピュラーな設定。
「白日の下に曝された」ものがあるというレビューを目にした。
だが正確に言い直せば、たびたび「白日の下に曝された」ことであり、相変わらず「白日の下に曝された」こと、昼も夜も「白日の下に曝された」ことである。

読み始めは、この小説が「小説作成を実況中継する小説」という構成の把握するまでに時間がかかり、ひたすら眠い。
チューリップ男は面白い形象。

アサッテの人
アサッテの人
posted with amazlet on 08.03.05
諏訪 哲史
講談社 (2007/07/21)
売り上げランキング: 18863
おすすめ度の平均: 3.5
5 文脈の不一致
4 読みづらいけどおもしろい
4 どこかに忘れてきた「アサッテ」