眞木準『胸からジャック』を読んだ
タイトル(『胸からジャック』asin:4479792066)の「ジャック」は「惹句」のカナ表記。漢字の字面からは言わんとすることがにじみ出てると思う。
最小最短の文字数で、しかもたった一言で、胸のすくように事象の正鵠を射る。p.10
コピーは表現目的こそ純粋ではないが、表現創意そのものは純粋である。p.10
読んだというより眺めたに近い(章ごとに1ページ文章、あとはチョイスしたコピーに、チョイスした写真を見開きで配置して、1フレーズコメント、という構成)。言葉を扱う仕事をしていることへの内省が窺い知れて面白い。
載ってるコピー一覧(暇なときに書き写した)
- おいしい生活[糸井重里:西武百貨店:1982]
- 恋を何年、休んでいますか。[眞木準:伊勢丹:1989]
- 鶯は誰にも媚びずホーホケキョ[仲畑貴志:パルコ:1976]
- 好きだから、あげる[仲畑貴志:丸井:1980]
- 女の胸はバストといい、男の胸はハートと呼ぶ[手島誠一:オンワード樫山:1974]
- 優しさを超えるものがあるとしたら、熱さだ。[::]
- シアワセはシワとアセでできている。[眞木準:日本サムソン:2003]「サムスン デジタルワールド - サムスンからの手紙」に眞木準が言葉を寄せてる
- 何も足さない。何も引かない。[西村佳也:サントリー山崎:1990]参考:TCC
- 僕の前に道はない。僕の後に道はできる。[:多田亮三:]※高村光太郎『道程』からの引用
- 恋が着せ、愛が脱がせる。[::]
- 夏はハタチで止まっている。[秋山晶::]
- 春なのにコスモスみたい。[::]
- 秋はからだを春。[::]
- つくりながら、つくろいながら、くつろいでいる[::]
- 熱き血潮の冷えぬ間に。[::]
- 薔薇と書けなくてもバラにはなれる。[::]
- 君のひとみは10000ボルト[::]
- ロマンチックが、したいなぁ。[::]
- 男は、体のどっかで、20才。[::]
- 目的があるから、弾丸は速く飛ぶ。[::]
- 女性の美しさは都市の一部分です。[::]
- 飲む時は、ただの人。[::]
- 笑い声泣き声は、ときどき似ている。[::]
- あなたのヌードはちゃんとエッチですか。[:児島令子:]
- 四十才は二度目のハタチ。[::]
- なぜ年齢をきくの[::]
- 昨日は、何時間生きていましたか。[::]
- あんたも発展途上人。[::]
- 男には、見えない翼があるんだよ。[::]
- 愛は無断でやってくる。[:眞木準:]
※作者名、クライアント名、発表年情報をネットから拾って一部追加
J-CASTニュース : 編集長からの手紙追悼 眞木準「でっかいぞう!」
2009年6月22日死去
胸からジャック。 心にささる一行メッセージのつくりかた。
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