James Glanz,Norimitsu Onishi「厳しい建築基準法と防災訓練が日本で人命を救った」(NYTimes)
New York Times 2011.3.11の署名記事
Japan’s Strict Codes and Drills Are Seen as Lifesavers - NYTimes.com
- 被害は甚大(というか全貌がまだ不明)
- けれど他国では類をみない日本の防災教育と防災対策のおかげで救えた人命がある
という趣旨の記事。途中色々脱線してる
以下斜め読んだ内容
日本の災害対策
- 日本の高層ビルで使われてる免震技術の数々
- 外観からはわからない技術
- 補強用鉄骨ブレース(extra steel bracing)
- ゴム製の巨大免震パッド(rubber pad)
- 水圧式の衝撃吸収機構
- 日本のビルを世界で最も頑健なビルたらしめてる
- 日本の沿岸地域の津波対策
- 津波警報システム
- 堤防
- 避難経路
- 防災訓練
- 日本人の恒例行事
- 地震と津波に同時に襲われるような大規模な自然災害に対して日本は一番対策を講じてきた国
- 日本はアメリカよりも地震がとても多い
- 日本の建築基準法は時間をかけてどんどん厳格なものに修正され続けた
- 地震発生時に建物の揺れ幅まで法律で規定されてる
- 1995年の阪神大震災
- 死者6000人の震災後、日本政府は膨大なリソースを注ぎこんで、耐震構造の研究と被害を受けた建造物の復旧を行った
- 震災後日本は地震と津波の減災技術開発に数十億ドル使った
- 地震発生時の地面の揺れを弱める働きをもつ免震技術の導入率で日本はアメリカよりも遥かに進んでる
- 地盤と建物を分離させて免震する免震パッド(base isolation pads)
- ゴムと鉄でできた巨大なパッドを掘削底面に設置。ビルはこのパッドの上に建てられる
- エネルギー散逸ユニット
- energy dissipation units
- 構造躯体に組み入れられる。
- 水圧式シリンダーの仕組みで地震でビルの揺れに合わせて伸展して運動エネルギーを弱める働き
- 蛇足。万全の技術というものはない
- 今回の大震災の総死者数はまだ不明
- 日本の防災対策と防災訓練によって救われた人命があった。事実
- 今回の震災の詳細が明らかになるにつれて死者数も増大してる
- 金曜の地震の津波には堤防を越えたものもあった
専門家のコメントを拾ってみた
- Jack Moehle
- California大Berkeley校の構造設計専門のエンジニア
- ビデオを見る限り、築年数の古い建物には崩壊してしまったものがある
- 日本語の「津波(tsunami)」は世界共通語
- 日本では1980〜90年代に多くの地域で頑丈な堤防が建設
- 高さ40フィート(約12.2メートル)の堤防も一部作られた
- 水害への最初の防波堤
- 堤防に否定的な人たちもいる
- 「美観と環境を壊す」として堤防を批判する人たち
- 曰く、堤防は防災について間違った考えを植え付ける
- 曰く、堤防があることで住民が防災訓練に積極的に参加しなくなる
- 曰く、堤防が海面への視界が悪くなり、海の状態について学習機会を奪う
- Kit Miyamoto
- 米国土木学会(American Society of Civil Engineers)
- 地震で発生した津波は仙台市の堤防を越えて侵入
- 自動車・住宅・農業施設を呑み込み波の引き際にも大部分を連れ去った
- 火災が何か所で発生したがおそらく原因はガス管の破裂によるもの
- Rich Eisner
- Matthew Francis
- アメリカの土木会社URS Companyのエンジニア
- 米国土木学会の津波関連の委員会のメンバー
- 防災教育を受けた住民にとって地震発生後5〜10分でできることは高台へ逃げることのみ
防災教育と対策によって助かった命を他の震災被害国の状況と比べる
- スマトラ沖地震
- 犠牲になった東南アジアの住民
- 防災教育を全くうけてない
- 地震発生後も沿岸に留まり続けて津波の被害にあった
- 東北の被害地で行方不明とされていた人たちは学校や公共施設など離れた場所に避難していた
- 日本人が津波について教育を受け、避難訓練を受けてきた成果
- ハイチ
- 2010年の地震では、建物の作りが劣悪であるせいで犠牲者の数を大幅に増やした
- 中国
- 2008年の四川省地震
- 建築基準法を無視して建物が作られていたせいで犠牲者の数を大幅に増やした
- 日本の建築基準法とその法への遵守への圧力は世界一
再び専門家のコメント拾う
- Mr.Moehle
- California州Berkeley在住のエンジニア
- 日本の建物と地震がよくおこるCalifornia州の建物を比較
- 日本の建物の方がずっと強い
- 日本の建築基準法を守ったビルは地震発生時には最上部分はビル半分くらいの振幅で揺れる
- アメリカの建築基準では建物が崩れないことに力点
- 日本の建築基準では建物が振動するときに致命的な損傷を受けないことに力点
- Ronald O. Hamburger
- 構造設計専門のエンジニア
- San Fransiscoの土木会社Simpson Gumpertz & Heger所属
- 日本の住宅・オフィスビル建設業界では、耐震性が流行りの売り文句になってる
- 賃料アップのために安全性をうたい文句に追加してる
- 最新技術を使ったビル建設も促進されてる
- 阪神大震災で損傷したビル
- 新しい補助材を使って修復されてる
- 日本には木材を使用して災害に弱い建物が地方都市にたくさんある
- Mr.Miyamoto
- 在日本のエンジニア
- 地震の被害は国内の輸送システムを破壊
- 地震発生によって池袋駅に到着直前だった電車の中に家族とともに閉じ込められた
- 1時間前には想像もつかなかった状況
- 地震が何回も続いたせいで車酔いのような状態になった
- 鉄道会社は安全性に懸念があるため運行を停止した
- 閉じ込められた後、鉄道会社は駅を閉鎖し運行を停止し、乗客を寒い夜の中に放り出した
- 家族と線路を歩く羽目になった