篠田博之『ドキュメント死刑囚』を読んだ
某ブログの紹介に興味を引かれて、篠田博之の『ドキュメント死刑囚』(asin:4480064435)を読んだ。著者は『創』という雑誌の編集長の人。死刑囚と面談・手紙を膨大にやり取りしてる人で、従軍記者の書く記事のような筆致。良くも悪くも終始ジャーナリスティック。考察や分析はほぼ皆無。これだけ死刑囚と深い信頼関係を築いた人が感じてることを、「死刑に抑止効果があるのか疑わしい」といった陳腐な表現に帰着させるのではなく、もっと深く仔細に言語化してくれるとよかった。
この3名がこの本で中心に取り上げられてる。随所に挿入される死刑囚たちの手記が面白い。
この手の事件の経過などは情報が複数の媒体が分散していて全貌が手っ取り早くつかみにくいが、まとめ本としても役立ちそう。ほぼ全ての引用に出典が明示されてるので資料的価値もあると思う。
ドキュメント死刑囚 (ちくま新書 736)
posted with amazlet at 08.12.16
篠田 博之
筑摩書房
売り上げランキング: 503
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法相の軽さの指摘が印象的心の闇を照らすとそこはまた闇しかない、そんな一冊
死刑囚に同情したが死刑は必要である
はたして死刑で解決するのか?