小林章の欧文タイプ・セミナー 2008に行ってきた
小林章の欧文タイプ・セミナー 2008に行ってきた。@東京工芸大学。大教室に満員できつきつ。以下ノートした所をメモ。
- 『デザインの現場』2008年10月号に小林さんのことが掲載されてる。
- 『Webdesigning』にもインタビュされたらしい。
- 書体デザインをする人なので、ロゴデザインとかは分からない。
- ロゴデザインやウェブ上の文字組みとかについては、ゲストに話を常に振ってた。
- 手の動き、重要
- 筆記具と文字の形とのつながり、重要。
- Trajan(トレイジャン)。ローマの碑文の文字のデジタル化。
- Century Old Style(19c)、Times Roman(20c前)は工業製品のような感じ(格調という印象は受けない)
- おすすめ書籍。洋書については『欧文書体』1と2の巻末に載せてある。
- おすすめ日本語書籍『ローマ字印刷研究』。対談がよい。書体に習熟していく過程が窺い知れる
- 筆記体は、国によって書き方が異なる。
- ドイツ語の筆記体のuとnは字形が同じで、区別する為にuには横線を入れる
- ドイツの語の筆記体のuの上の横線はウムラウトのような発音用の記号ではなくて、便宜的なもの
- House Industries。手書き文字を集めまくってるサイト?
- ヤン・チヒョルト『書物と活字』の翻訳だけどあとがきがおかしい。
- Jan Tschicholdの本は小林さんは何冊も読んでる。
- 翻訳に頼ると間違った情報を得るから、語学は出来たほうがよい。
- スモールキャップ。小文字より実際にはやや大きいが、小文字と同じサイズにみえる。
- スモールキャップは、文中の略称(ex TDC)に使われてる。
- 年齢や状況を想定して文字を選ぶ。
- 白と黒のバランス大事
- 日本のよせ文字の文字に囲まれた白のアキ部分が勉強になった
- Helvetica v.s. Arial(アリアール)。字幅は両者とも同じ。緊張感がないArial、余白の形がパッとしないArial
- 欧文書体。昔は254文字だけ作ればよし。今はopentype登場によって作る文字が増えた。
- 書体デザインでは、各文字のどんな組み合わせでも釣り合いが取れることを意識
- 中欧、東欧の言語で使われることも意識して書体デザイン
- Gentium。多言語の文字をカバーしようとしているフォント。フリーでダウンロードできる。
- クロアチアの人がヒラギノのローマ字を使って文字組みしてる
- イタリアの新聞で、ヒラギノが使われてた。
- Mac OSに標準でヒラギノが入ってる影響
- Lungta。在ベルギーの人がチベットの文字のフォントを作った。見よう見まねではなく、チベットで何年も住んで作ったもの
- Martel。by Dan Reynolds。アルファベットとインドの文字のフォントをデザイン。
- 母国語とする人がその言語のフォントをデザインするという枠組みからはみ出る動き
- f+i、f+lでは合字を使う。
- ディプロマ用のフォント。気持ちが伝わる書体。筆文字や手書き風書体。
- ノーベル賞のディプロマはカリグラフィー
- 書体デザイン。黒味を分散させる。同じ筆記具で各文字を書いたらどうなるか。
- bはdの反転させて形にはならない。pとqも。デザインとしてはよくあるが、書くことを念頭においたらおかしい。
- abcd...と並べたものを見せられてもよしあしは分からない。実際に単語を組んだときにどーなるか。
- byゲストの人。ロゴデザインでは、世界観とかターゲットを意識。書体のカスタマイズ。
- byゲスト。ロゴデザインでは、ロゴをつくるルールを考える。ルールに沿ってどんなものが生まれるかを意識
- byゲスト。ブランドはロゴ、デザイン、ビジュアルイメージの中にはない。ブランドは約束-信頼関係。
- ガウディさんがいいこと言ってる。「グッドアイディアを捨てなさい」。最終局面では全体の釣り合い、バランスの中で最初の名案が邪魔になるときがある。
- 書体の現代的解釈と、忠実なデジタル化。
- by活字のデザインでは、文字の大小で変わってくる。書体では最近やられてるが、昔から活字ではやってること。
- Adobe Caslon
- Newsweek用書体。byマシュー-カーターが、6書体デザインしてる。
- スペーシング、カーニング。サイン用なら、真正面以外の方向から見てもわかいやすいこと。
- イタリアの空港のサインは見にくい。コンデンスしてて、斜めからみると読みにくい。
- 新渡戸稲造『衣服哲学』1938年の文字組みが、小林さんが好きな和欧混交の例。
- byゲスト。和文フォント10ポイントなら、欧文は11~12ポイントにしてみる。
- ゲストの菊地敦己さんの青森県立美術館の仕事で作ったフォント。タイプライター風の、字幅が同じ。
- Palatinoの作者ヘルマン-ツァップは、デジタル化されたPalatinoが気に入らないと感じている。現在作り直してるらしい。
- Palatino作成当時(1980年代)は、フォントデータに入れれる情報が少なかったから、削られた情報がある。
- 企業ロゴ。欧米はフォントをそのまま使う(Diorとか)。日本のロゴはフォントに手を加えることが多い傾向。
- by高岡昌生。活版とデジタルの違いではなく、オフセット印刷と活版印刷の違い。活版では紙との相性がよい。インクと相性がよくなるように長年の紙の最適化がある。文字が太くなって読みやすい。にじみで汚くなる。
- 弱視者-高齢者の人にとって読みやすい書体。ベルギーでリサーチとプロジェクトが実施されてる。
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