以下斜め読んだ内容

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小島寛之『数学でつまずくのはなぜか』を読む

小島寛之さんのブログで『数学でつまずくのはなぜか』(asin:4062879255)が紹介されてたので読んでみた。時折挿入される小島さんの教え子のエピソードが面白い。「わかんねっす」君はあれからどうなったんだろう?そして、小島さんが塾で数学を教えていたとき生徒に真剣に向き合っていたこと、「手間」とか「面倒」という言葉の入る余地のない姿勢がすごい。そして小島さんの生徒が羨ましいと思った。
第3章「解析学でのつまずき」を読んで思ったこと。
この章を読みながら「有益な虚構」(ライプニッツが無限小について述べた言葉)という言葉を思い出した。解析学は近似による世界理解の方法である、とぼんやり思っていたことに肉付けができた。
この章の主旨から外れる部分だが、グラフに時間軸が入ったグラフをなかなか理解できない子供が実際にいることを知ることができたのは良かった。
時間をグラフとか座標軸で表現することは時間にとって本質的ではないどころか時間とは根本的に異質なものである。哲学的時間論ではグラフや座標軸のようなものを通して把握された時間を「空間化された時間」と呼ぶ。空間化された時間を理解して後に時間とは何であるかのかを考えるとき、既に体に染み付いた空間化された時間の感覚は、時間について考える上で障害となる。時間にとって本質的ではないものが時間を考えるときに影響を与えるため。自分の場合平凡にあっさり空間化された時間を理解してしまったので、時間について考えたとき、自分の体に染み付いた「空間化された時間」の感覚から距離を取る事ができたのは、哲学的時間論を経由した後だった。
グラフとか座標軸に表現された時間を理解につまずく子供がいるのは、グラフなどに表現された時間が時間に異質であるということを感じとっているんじゃないの(もちろん子供らにそれを言語化したり、時間の本質について論証する準備はないだろうが)・・・と想像させてもらえることが収穫だった。
今4~5章をゆっくり読んでる途中。読み終わったら書き足す。

数学でつまずくのはなぜか (講談社現代新書 (1925))
小島 寛之
講談社
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おすすめ度の平均: 4.0
5 何年かに一冊の本かもしれない
4 つまずきは大切
3 疑問
4 つまずき?