以下斜め読んだ内容

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佐藤可士和『佐藤可士和の超整理術』を読んだ。

去年「劇的3時間SHOW」の佐藤可士和の日を見に行っていたので(ちなみにそのときのゲストは中村勇吾)。『佐藤可士和の超整理術』(asin:4532165946)に書かれているこ内容は、講演で喋っていた内容と重複しているので復習になった。アーティスティックな感覚ベースではなく理詰め・言語化ベースでやっていることが量産の秘訣の人なので、本の内容も整理されてて分かりやすい内容だった。最終的な色や形の選択の部分は佐藤氏の中で言語化されていない気がした。
以下印象に残った箇所。

ひとつのデザインを生み出すことは、対象をきちんと整理して、本当に大切なもの、すなわち本質を導き出して形にすることだと思うからです。p.11

1章で、「どうしてあらゆるジャンルの仕事ができるのですか?」という質問に、「常に対象のなかから本質を引き出しているからアイディアが尽きることがない」と述べました。これにぜひ、「他人事を自分事にできるから」と付け加えたい。今回のように、担当するプロジェクトに一見個人的な接点がない場合には、どこに共通項を見出すかを念頭に置きつつ、情報をすくい上げていくのです。p.173

僕の行っているアートディレクションは、アーティストのようなアプローチとはかけ離れたもの。p.22

一見、アーティスティックに自己表現をしているのではと思われがちですが、実はドクターのようにクライアントを診療し、問題を解決していくといったほうがふさわしいのです。p.23

ビールの廉価版ではなく、“カジュアルに楽しめる現代的な飲み物”というように、発泡酒を捉える視点を転換したのです。決して無理やり導き出したわけではなく、裏を返せばポジティブな見方ができる、ということです。そのポジティブなイメージを端的にビジュアル化したのが、簡潔でクールなパッケージや広告表現なのです。p.24

情報の氾濫する今日では、よほど鋭いメッセージでもなければ消費者の心には届かないでしょう。ですから、クライアントが山ほど抱えている思いをひとつひとつ吟味して、整理しなければなりません。p.30

商品の本質をきっちり捉えて効果的に表現してこそ、心に残るものを作ることができる。p.33

実は、広告がコミュニケーションデザインを行う仕事だというのは、学生時代の授業でもさんざん言われていたことでした。p.34

現代人は、身体の左右のバランスが崩れている場合が多く、それがさまざまな不調の原因になっているといいます。対症療法で症状を一時的に鎮めるのではなく、身体の軸を整えることで本来の健康を取り戻す。根本的な問題と向き合うことで、スムーズに解決へと至ることはたくさんあるのです。p.46

このように順番をつけていくと、順位が下になるにしたがってどんどんプライオリティも下がっていきます。つまるところ、10番目のモノなどは、極端にいえばどうでもよくなる。真剣に考えた結果出した結論ですから、優先順位をつけた後では、そのモノに対する価値観がぐっと明確になっているはずなのです。p.84

常に定位置のキャパシティ内でやりくりするのです。「まあいいか」と緩い気持ちで別のところに置いてしまうと、そこからダムが決壊するがごとく、ズルズルとモノが増殖していくきっかけになってしまいますからご注意を。p.8

バーチャル空間の整理に関して、僕はスタッフにも耳が痛くなるほど徹底させています。「毎週月曜日の朝は、Macの中のデータを整理すること。午前中いっぱいかかってもいいから、納得いくまですっきりさせるように」と。p.102

世の中のモノは、フレームが決まっていないから、扱いにくいと思うのです。大きさ、形、堅さ・・・・すべてバラバラだから、整理がしにくい。それを、ボックスというフレームを設定して、フォルダのように入れ子にしてしまえば見た目は驚くほどすっきりします。ボックスの中は多少粗雑になっていてもかまいません。p.110

目の前の仕事に深く入り込んでしまうと、「果たして、広告とは関心をもってもらえるものなのか」という、ぐっと引いた視線で見ることをわすれがちになってしまうのです。p.115

まず何を言いたいのかという主旨をはっきりさせ、そのうえでどんなトーンで伝えるのかという工夫をすることが大切です。p.116

僕の仕事でも、いったん引いて考えたからこそ、視点が見つかったケースはたくさんあります。「極生」の場合もそうでした。多くの情報の中で混乱した後、「そもそも発泡酒とは何なの?」と客観的に考えてみたからこそ、発泡酒独自のポジションを打ち出すという視点が見つかったのです。p.127

スクールカラーに黄色を選んだのは、赤や青や主張が強すぎる色だから。黄色は明るい色なので、白地の上におくとコントラストがつかずあまり目立ちませんが、単色としてはインパクトがある色。控えめだけどアイデンティティはしっかりしているという校風を表すのにぴったりだと思いました。ロゴに使用した書体は、知的でオーセンティックな品のよさがありながら、モダンな雰囲気も備えています。p.133

これらを考え合わせてみると、ふっと“新しい”というキーワードが浮かび上がりました。どの要素も、いままでにないことです。これを“新しい”という視点でプラスに転化すれば、スムーズに整理しなおせれるのではないか。
この視点が見つかった瞬間に、すべての要素がすらすらと置き換えられました。p.143

そうした“開かれた場”であることを、マークに込めたいと思いました。そこで、“新”という字を構成するすべての線や角の閉じた部分をなくし、エレメントが開かれているオリジナル書体を作りました。
また、それぞれの線は、片方の端を直角に、もう片方の端を丸くしています。これは、黒川紀章さんの建築からイメージしたものです。・・・建築の特徴とマークをさりげなくリンクさせました。p.145

建築側のアプローチと、ビジュアルコミュニケーション側のアプローチを一体化させることによって、ひとつの美術館という新しいイメージを定着させるための、完成度を上げることができるからです。p.146

困ったことにいまひとつ集中して取り組めない。なぜだろう、と考えてみると、自分自身との接点がもてないからだと気づいたのです。p.170

どうしたらリアリティをもてるようになるのか。問診を丁寧に続けて、共感できるポイントを見つけるしかありません。p.171

自分勝手なイメージを作り上げるのではなく、対象の中から本質を導き出すというアプローチだからこそ、、いかに自分のモチベーションを上げていくのかが大事になってくるのです。pp.171-2

佐藤可士和の超整理術
佐藤 可士和
日本経済新聞出版社
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おすすめ度の平均: 3.5
4 自分の頭が整理されたようですよ
1 ファン向け
4 サクッと読める本
5 アウトプットを仕事としている人、そういった仕事につきたい人、必読。速度というキーワードで仕事を見直すチャンス。
5 アイディアを考える前にすべき準備運動