以下斜め読んだ内容

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『ゲームニクスとは何か』を読んだ

前に読んだ『ニンテンドーDSが売れる理由』(asin:4798016845)よりも、今回読んだ『ゲームニクスとは何か』(asin:434498045X)の方が読みやすかった。

ゲーム制作で培われたUIのノウハウの蓄積と、UIとユニバーサル・デザインのつながり、あのナムコが医療・福祉分野で製品を出し続けてもう10年くらいの経験があることなど、いろいろ面白い話があった。ゲームの歴史をUIという観点から辿ったものでもあるので、史実の点で厳密ではないかもしれないが、歴史を辿ったものとしても楽しめた。

よい操作性というものは「触っていることを意識させない」、もっといえば「触って気持ちよい」というものなので、「新機能がついた!」というような派手さはありません。伝わり方が地味なばかりでなく、そこに手間隙をかけることは一見むだと思えるほどの時間とコストが発生します。しかしユーザーのことを最優先とする限り、決してないがしろにしてはいけないことなのです。p.35

新機能よりもよい操作性というスタンスには大変共感できた。

以下気になった箇所

パソコンはもちろんのこと、携帯電話にしろ、テレビにしろ、”ひとつの機器”で、複雑かつ煩雑な”複数のこと”をしなくてはいけない状況になってきています。そのため本来であれば、使い勝手がさらによくなっていなくては、ユーザーはその多機能に追いついてはいけないはずです。ところが実際は、”使い勝手”が”機能”に追いついていません。そのため、どんどん使いにくくなていると、私は断言します。p.18

このようなゲームそのものの作りこみもそうですが、日本人の繊細な感覚は、コントローラーの操作性や、インターフェイスにまで及んでいくことになります。操作自体にストレスをなくすためにはどうしたらよいのか。いや操作する行為それ自体が楽しく感じられるようにするにはどしたらよいのか。
日本のテレビゲーム発展の歴史は、人に優しい優れたユーザー・インターフェイスの進化の歴史でもあったのです。そしてそれが世界産業として成功したということは、世界レベルで見ても、とても優れたノウハウであったといえるでしょう。p.31

スーパーマリオクラブ」というのは、ゲームソフト制作の最終段階で、任意の”ユーザー代表”の方たちにテストプレイをしてもらう仕組みです。選抜された人は、ユーザーの気持ちになって、客観的にその内容を評価して点数をつけていきます。なんと、そこで点数の低いものは、商品化されず、再度作りこまれていきます。かなり画期的で勇気のあるシステムだと思います。p.34

いろいろなところで発表してみたところ、ゲーム業界以外の方たちから興味を持ってもらうことが多く、最近「そのノウハウをぜひ使わせてほしいので、もっと詳しく教えて欲しい」という話が急に増えたのです。p.36

先に「PS3やPSPのコントローラを見れば、どのようなゲームが楽しめるか、誰もが想像てきる」と説明しました。
これは裏を返すと「似たようなゲームしか作れず、ゲームの広がりに限界が生じてきた」ことを示しているのです。
つまりコントローラーのデザインはゲームの基本デザインを決めてしまうのです。
そのため同じコントローラーでゲームをデザインしていくと、次第にゲームの内容が似通ってきてしまい、ユーザーに飽きられる可能性が高くなります。p.112

このようにPS3を紹介しようとすると、「あれもできます」【これもできます」といったように、「〜ができる」という文章が羅列するkとになります。本体に搭載されている機能の面では、PS3はWiiを遥かに凌いでいるのです。
しかしこうした便利な機能の多くがメニューの奥深くに収納されているため、ユーザーは自分でこれらのモードや機能を見つけなくてはなりません。p.117

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3 ひとことでまとめると、「ユーザー・インターフェイスが大事!」
3 飽和した市場を突破しうる”ゲームニクス
2 ゲームニクスを説明していない
3 ゲームから学ぼうと言う姿勢は良い
3 いい指摘だけに、瑕疵も目立ってしまう