以下斜め読んだ内容

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深澤直人『デザインの輪郭』を読んでる

以前読んだ>原研哉『デザインのデザイン』(asin:4000240056)で語られてたのを目にしたのと、最近購読してるblogで言及されてるのに影響を受けて『デザインの輪郭』(asin:4887062605)を読み始めた。自分が最初に深澤直人の名前を知ったのはTalbyを作った人というところからだった。
本の構成は独特で、1年かけて録音したインタビューからの抜粋、書き下ろした短いエッセイ、深澤氏が作ったプロダクトの写真、『デザインの輪郭』のアートディレクションを担当した人(山口信博)と写真を担当した人(小泉佳春)との鼎談・対談が交互に繰り返される構成。
『デザインの輪郭』には栞ひもが2本つけられてる。自分は1本は現在読み進めたところに1本栞ひもを挟み、もう一本は既に読んだが、気になった部分、もう一回読み返そうと思い読み返している箇所に挟んでいる。
大体1/3くらい読み進めた。俳句について書かれた箇所と鼎談の部分が印象に残った。俳句作ろうかなとか、お勧めの俳句があったら読みたいと思ったし、俳句を自分がやらないとしても深澤氏・山口氏が俳句のうちに見ているものを自分も見えるようになりたいなと思った。

深澤 俳句は、いいものがあって詠むわけではなくて、特別ではない、ふつうの領域が、妙にアーティスティックに高まるということがすごい。きっとデザインと同じように、何らかのことを入力したり考えたりしていたことが、ある瞬間に、ふっとひとつの調和した線みたいなものが見えたときに、ポンとでるのかなあ。デザインと俳句はすごく似ているんじゃないかと思います。pp.62-3

山口 誰でも見ていて、誰でも知っていて、それが極めて日常的なんだけれど、非日常に見えるっていうか。誰も行ったことがない、誰も見たことがないことを詠うんじゃなくて、全員が知っていて、全員が見ていて、日常的に体験していることに逆にすごいポエジーを感じることができたときに、俳句ができたんだなって感じるんです。p.70

追記:
近藤社長のエントリ(事始め - jkondoの日記)が『デザインの輪郭』で読んでることにシンクロしてる(同じ事を言ってると言うのは語弊がある)。

でもそうやってじたばたしながら、社会の空気をつかもうとしているのだと思う。世の中をうろちょろして、社会が求めているものを探しているのだ。それがあればさらに便利になるのに、まだそれが欲しいという事に多くの人が気付いていないもの。そういうものが発見されるたびに、少しずつ人の生活は変化してきた。人に会ったり街の中をふらふらしていると、時たまなんだか気になる行動を目にする。なぜそれが心に引っかかるのかは分からなくても、そういう様子をどんどん頭に入れておく。そういう材料をたくさん放り込んでおいて、長い時間考えると、ふとその奥に隠れている一本の糸みたいなものが見えてくる瞬間がある。こういうものを作れば、あんな人やこんな人がこういう風に使ってくれるんじゃないか。なぜ今まで気付かなかったんだろう。そういう風な糸が一筋見つかった時は幸せだ。体がぶるぶる震えてしまう。

『デザインの輪郭』から既に自分が読んだ範囲から紹介すると・・・

周りの空気を描くことで見えてくるものが、そこに存在すべき姿である。周りの空気と無関係な輪郭を描くことは、星という実態が見えずに、空を観て描いた空想画のようなものである。輪郭を成す要因は、誰しもが共有している。だから、誰もが輪郭を既に知っている。ただ、それを自覚していないだけなのである。p.19

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