以下斜め読んだ内容

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スマナサーラと養老孟司の『希望のしくみ』を読んだ

積読消化。養老孟司は何冊か読んだことのある人だが、何気に開いたらスマナサーラ氏がかなりストレートな物言いなことをすることを発見し、一気に読了。対談本なんだが、間にダッシュ(―)さんがよく紙幅を使っている。程ほどに俗物な人。誰なんだろう?と思ったが、どこにもかかれてなかった。

以下心に残った点

―― 日本の宗教は祖師を信仰しますが、テーラワーダはお釈迦さまを信仰するんですね。
スマナサーラ いえ。そうじゃないんです。むしろ「お釈迦さまの説かれた教えを信じて実践する」といったほうが正しいですね。
 それにそもそもお釈迦さまは、信仰には断固として反対していたんですよ。私を拝んでどうなるのかと。

―― どうして信仰に反対なのですか?
スマナサーラ お釈迦さまが説いたのは、「真理」です。真理は、誰が語っても、いつの時代でも変わらないものです。お釈迦さまは真理を提示して、「自分で調べなさい、確かめなさい、研究しなさい」という態度で教えたんです。「私を信じなさい」とは、まったく言っていません。
 もちろん私たちだって、「お釈迦さま」「お釈迦さま」とお慕いしています。けれど、精神的にはすごく自由を感じるんですよ。何でも読めるし、何を勉強しても批判されるわけじゃない。ただ自分が確かな気持ちを持っていればいいんです。
―― お話をうかがっていると、なんだかテーラワーダ仏教が宗教でないように聞こえますが、それでよろしいんでしょうか?
スマナサーラ うん。だから、まだ仏教が宗教かどうかはっきりしないんです。pp.17-18

スマナサーラ それで痒みは、掻かなくても消えるんですよ。
―― えっ、掻かないのに消えるんですか?
養老 だって「掻け」と命令するんだからね。それで脳の出力は終わりですよ。
―― でも掻けないわけですよね?
スマナサーラ 掻かなくても、感覚はずっとあるわけがないんですか。
―― あ、痒みは時間が経つと消えてきちゃうんだ。p.132

スマナサーラ …老いることは苦ですか?苦でも楽でもなく、事実でしょうに。避けられない、逃げられない、受け入れなくてはならない。そういうものです。それなのに、老いることはない、老いたくないと、事実に反してあべこべに思考する人には、老いることは苦になるのは当然なんです。p.168

スマナサーラ …たとえば「平和な社会になれば幸せに暮らせる】と言っても、それはあまり意味がないんですよ。戦争中でも幸せでなければいけません。豊かなときだけが幸せというのも困ります。作物の出来が悪くて豊かでないときも、幸せじゃなくちゃいけないんですよ。p.171

スマナサーラ …お釈迦さまもはじめはお城から出て行ってから、人里離れてものすごい苦行をなさったんです。それこそ誰にもできないような厳しい行です。でもそこまでしても、悟りは開けなかった。
 そこで中道を取って、外界と一切接触を断つような完全な森修行はやめたんです。人里に戻った。そして静かに瞑想なさって、悟りを開かれた。都会にいて、都会人ではないという生き方を発明されたんです。pp.193-4

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